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2009年4月

2009年4月21日 (火)

教員のためのパーラメンタリーディベートワークショップ

つい先日、埼玉県市立浦和高校で行われました、教員のためのパーラメンタリーディベートワークショップに参加してまいりました。 感想をずらずらと・・・

まず、日本でディベート自体がまだまだ浸透していないのですが、文科省が述べる新学習指導要領においてはディベートやプレゼンテーションを習得することが勧められています。 これを受けて、これから英語の教員ならずともコミュニケーション能力のさらなる育成に向けて、ますますの研修が必要になってくることは自明の理でしょう。

パーラメンタリーディベートは、ディベートの中でも高度なディベート形式でして、アカデミックディベートのような準備はできません。 即効で(20分ぐらい)で一人が7分ぐらい話続けなければならないのです。 2対2のモデルディベートを披露していただいたのですが・・・

まず、4人の方のチームワーク(個性とも言えるのですが)がすばらしいのです。 ただのディベートに終始するのではなくて、モデルディベートを通じて、「パーラのディベートは面白いよ!」 という熱意が伝わってくるのです。 特に肯定側の最終反駁でそれが感じられました。

2番目の肯定側の女性の方は反駁してから第3プランについて述べるのですが、反駁がなんとかなんとかこらえて、第3プランは饒舌となり、反駁の難しさを物語ってくれました。 私も授業で少しディベートを教えているのですが、反駁がなかなかできるようになりません。 プロの方でも大変なのだから、高校生はさぞかしレベルが大変だと痛感したのです。 

男性の方は一人、否定側だったのですが、プロの余裕が感じられました。 ですが、ギャグが思ったよりもウケない時の 「やばい」 という感じや空気がけっこう個人的には面白かったです。 それでもさすがプロ。 その後の切り返しはすばらしい論理だったと思います。 圧倒されました。 

否定側のもう一人の女性の先生はやはりパーラの面白さを伝えたいという思いがあふれていました。 ベテランという感じがしました。 取り上げる具体例も、見事なものでした。

個人の主観的な考えが強くなり、聞いていて、「それってあなたの勝手な主観じゃないの?」 とつっこみを入れたくなることが多かったのですが、価値論題なので仕方がないのです。 普段はもっと難しい政策論題で戦っていると思います。 でもその中でどれだけ聴衆を引き付けるか? 楽しませるか? そんなことを4人とも考えていて、プロとしての余裕が感じられ、自分はなんて勉強が足りないんだろうと痛感した1日でした

こんなとこでしょうか? まだまだ感じた事はたくさんあるのですが、一つ言えることは、パーラは決して難しいものではなく、コミュニケーション能力の育成にとても役立つということです。 これからますます脚光を浴びることと思いますが、日本が世界レベルに追い付くためにも、こういったワークショップをどんどん活用していかなければなりませんね。

ちなみに、パーラの具体的なレベルアップには、以前私がこのブログで紹介した、「超人脳の作り方」 が最もくわしく書かれています。 ぜひ本屋で手にとって読んでみてください。 私も、もっと研究していきたいと思います。

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2009年4月14日 (火)

教育の進化

最近、数学や世界史を学習していたのですが、教育の進化はすさまじいものがあるということを認識させられました。 世界史を例にとってみましょう。 

 「タテから見る世界史」 (学研) by 齋藤 整

この参考書は、世界史においてまさに画期的なものだと思います。 世界史と言うと、山川出版の教科書で章ごとに学習していく、それは、エジプト・メソポタミアのオリエントから始まって、ギリシア・ローマ、中国を学習して、またゲルマン民族の大移動といった中世に戻るという順序を取ります。 

この勉強の順番は時代をまたがっているので、頭の中がこんがらがるのが普通だと思うのです。 (私が頭が悪いと言えばそうまでなのですが・・・)

世界史は比較的得意な方でしたが、時代がぐちゃぐちゃ、地域がばらばらに習うとどうしてもまとまりが悪く、かつ試験に出るところと言えば最後の近現代が中心になってきます。 ですから最初はいいのですが・・・ 後につらい勉強が待っているのです。

その点この本は、地域や国ごとにしっかりと一本の筋が通った形で学習させてくれます。 著者のもう1冊の 「ヨコから見る世界史」 と併用するとなおいいでしょう。 

私は、ズバリ、「教育の進化」 を感じざるをえません。 あのきつかった世界史の勉強が、本当にすんなりとしかも短時間で学習できるのです。 これを使わない手はないと思います。 

参考書や問題集を見てみると、古かったものでも良いものはいつまでも残っていますが、やはり確実に 「進化」 を感じます。 全てに通じるキーワードは、「知識を階層的」 にし、統合することです。 このブログで何度も述べていますよね? 

特に受験生の皆さん、世界史が大変だ!と思わずに一度手にとって、ざぁっと眺めて見てください。 きっと思ったよりも覚えることは少ないことに気づくと思います。 世界史を分かりづらくしているのは、時代がこんがらがることです。 しっかりと体系だって勉強しましょう!!!

私もいつか世界史の完璧ノートをまとめてみたいと思います。 今日は英語にあまり関係ないかもしれませんが、思考力を鍛えるという意味でとても重要な本を紹介しました。

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2009年4月 7日 (火)

第4回全国高校生ディベート大会 論題決定

さてさて、私が楽しみにしている第4回全国高校生ディベート大会の論題が決定しました。 

 The Japanese government should prohibit worker dispatching.
   「日本政府は派遣労働を禁止すべきである。 是が非か」

です。 昨今の派遣村のニュースは衝撃的でしたね。 本当に日本はどうなってしまうんだろう? と首をかしげたくなる状況です。 それを受けてなのか、今後ますます論戦が繰り広げられる労働問題についてのホットな話題だと思います。

勝間和代さんのブログはよく見させていただいているのですが、日本が危機的状況から脱出するために今やるべきことを若者が考え、明日の未来をしっかりと考えさせることがとても重要だと思います。 高校生にとっては自分の職業観を考えるとても良い機会となるでしょう。

正規雇用で事足りるのか? それともワークシェアリングのような代替案が必要なのか? 社会保障費との関係は? 本当にこの問題1つにありとあらゆる準備が必要になってきますね。 

本当に今から、ディベート大会が待ち遠しいです。 今年も高校生に感動させてもらいたいと思っています。


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2009年4月 6日 (月)

ノートの罠

本屋でよく最近目につく書籍の中に、

 「東大合格生のノートはかならず美しい」 

という本があります。 手にとって読んでみると、東大生のノートの取り方参考例シリーズと言っていいのでしょうか。 すばらしいノートの取り方が例示されています。 率直に言って感想なのですが・・・

 

受験生が勘違いしなければいいなぁ~

と思いました。 理由を述べさせていただくと・・・

① 本当の意味で合格する力をつけるには、「問題演習」 という王道が必要であるということ。

② ノート作りは、勉強の効率面を無視しているということ。 つまり、時間がかかる割には、効果が少ない。

私も、受験生の時には必死になって、世界史のノート作りに励んでいました。 英語ももちろんこのブログで紹介しているように、自分なりの完璧ノート!!!と言ったものがあります。 ですが・・・ 受験生には時間がありません。 もし私が受験生に戻るならば、世界史のノートは作らないし、志望校の「過去問」を買ってきて、時間を計って解いて、どうしてできないのか? という時間に全てを費やすと思うのです。 (これを読んでいる社会人の方はいかがでしょうか?) つまり、とても非効率なのです。 

それでも、こういった類の本の良い面はもちろんあります。 きれいなノート作りはもちろん勉強になりますし、知識を整理するという意味ではとても重要な勉強です。 東大生がノート作りがうまいのは、言いかえれば、授業のポイントが分かる。 つまり、考える力が優れているので、聞いていて相手の言いたいことを、要約できるということです。 ここで言う、「美しい」 という意味は、「INPUTしたことを、論理的にまとめて、OUTPUTができる」 ということです。

また、まったくノートを作れないレベルの生徒もいるでしょう。 そういったレベルの人は、まず、きっちりと写す作業ができないと話になりません。 初めに基本ありきです。

以上のようなことを考えてしまいましたが、私がお勧めする授業の聞き方&ノート作りは次のようになります。

 「読み方や解き方で分からなかったポイントを整理する」 

例えば、英語の英文の中で、どうしても構文が掴めないところだけを書いておくとか。 数学の解き方でどうしてもひらめかなかった式の出し方や方法を書いておくとか。 つまり、全てを板書しようと思わずに、「間違い直しノート」 を作るつもりで授業を聞くのです。

これを踏まえて、やってはいけない勉強法の例を挙げておきます。

① 英語だったら、教科書の本文を写す
  (写すのは時間の無駄です。拡大コピーをしましょう。)

② 世界史や日本史等のまとめノート作りに懲る
  (ノートをまとめても点数には間接的にしか反映されません。)

③ 数学だったら、問題を写す。
  (問題番号だけで十分です。)

以上のようなことを考えて、「過去問」 や 「問題」 を解き、なぜできなかったのか、「考える」、「間違い直し」 をする。 そういった時間の使い方に勉強方法をシフトすることがとても重要になってきます。 脳に負荷をかけない限り、力は上がりませんよ~ 特に、受験生の皆さんは気を付けてください。

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2009年4月 2日 (木)

パターンプラクティスの罠

最近、春休みということもあって、英語以外の科目の本を手に取ることが多いのですが、久しぶりにセンター試験の 「数学」 を解いてみました。 合わせて、東大を始めとした難関国公立大学の問題にもざっと目を通してみました。 

もちろん、世の中で出回っている数学の良書と呼ばれている参考書にも目を通してみました。 そんな中での、感じたことを書きたいと思います。

センター試験の数学は、「数学Ⅰ・A」 と 「数学Ⅱ・B」 を解いたのですが、単元としてはまとめると次のようになります。

Ⅰ 関数(グラフ)と図形
Ⅱ 論理・集合と数列と確率

Ⅰ の関数とグラフにはもちろん、展開の公式や因数分解から始まって、2次関数、三角比、三角関数、指数・対数関数、微積分へと発展していきます。 図形には三角比や平面図形、ベクトルなどでしょう。

Ⅱ は、未知なるものの規則性を発見したり、関係を見極める分野です。 

このように私が大きく数学という分野をまとめることができる力は若いころには考えられなかった力です。 このブログでも書きましたが、全体を見渡して、統合していく思考力であり、「知識を階層化する力」 と言えます。 よく数学の先生が、「グラフを書けば解けるよ」という言葉を使いますが、Ⅰの分野は結局グラフを扱っているのです。 そのための準備として、因数分解があったり、解の公式だったりと・・・ 全体が見えてくると、本当に楽に感じますよね。

もう1つ気づいたことがあります。 私が現役の時、難関国公立の数学の問題が解けなかった理由でもあります。 それは、「パターンプラクティス」 に原因があります

パターンプラクティスは確かに計算力をつけたり、問題をパターン化する能力等が身に尽きます。 脳トレなどもこの類です。 しかし、本当の意味での考える思考力が上がったわけではありません。 ここに、罠がひそんでいるのです。 特に数学においては顕著に見られると思います。 英語もそうですが、「いっぱいたくさん問題を解けばできるようになる」 という考えのうちは、ある一定のレベルから飛躍しません。 よく生徒から、「この問題集を終えれば受かりますか?」 とか、「どれくらい勉強すれば受かりますか?」 という質問を受けますが、それは、問題のレベルをその人が越えたらとしか答えようがありません。 また相対評価ですので、他の受験生の出来もあるでしょう。 なんとも答えようがないのです。 

数学の難関国公立の問題を勉強する中で、数学の本質といったもの(それが何かは私は残念ながら分かりませんが・・・)をとらえることに全力を注ぐべきなのです。 

言わば、パターンプラクティスで能力が向上するレベルは、まだまだ本当の意味での頭が良くなったわけではないことを理解してほしいと思うのです。 

ですから、計算ドリルや漢字ドリルの類は、最初のうちはいいかもしれませんが、そこから一歩飛躍した、「思考力」 を上げるための、学問の本質をとらえる勉強へとシフトすることが、とても大切だということです。 それは学問に限らず、全てにおいて当てはまると思います。 こういうことを知ることも、上達のコツの1つでしょう。

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